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2016年1月6日水曜日

鍛造切り出しの製作2 火造り

今日はイラストばっかりの記事です。



火造りは材料の形状を自分好みにする作業。柄を曲げたければ曲げる。また、板厚を整える作業でもある。今回は右利き用の切り出しの製作であるから。刃の傾きの向きを意識してみていただけたらと思います。切り出しは背側を厚めに腹側を薄めに成形する。上の図での右下の絵のようなイメージ。柄は後の工程で面取りする。



今回の道具類の配置図を示す。左手にはやっとこ、右手には金槌を持つ。この金槌は柄の差し込み位置がオフセットされており、槌の重さでたたくのに適した構造になっている。また今回ブロアは右側に設置されていたが、師匠の工場ではふいごを用いているそうで、その配置は左側になっているそうだ。その理由は次の工程で書くが、左手でふいごで吹いた瞬間に右手で材料を差し込むことができ、材料に炭を載せることができるからだそうだ。バケツの水は水打ちに使うもの。



炉に入れるときはこんなイメージ。地金側から加熱する。鋼側を上にして炉に入れるということ。
また、材料の中央部から加熱し、刃先の過熱を防ぐ。また、実際には炭の上にオープンに置いた状態では十分に加熱されないため、材料の上に炭をかぶせるように置く(または加熱された炭の中に材料を差し込むイメージ。この際も刃先には炭を載せない)
全体に過熱されたら金床の上で鍛造する。
鍛造の際は金床に材料をピッタリ当てた状態で行う。浮いていると材料が曲がってしまう。そして、上手な鍛造を行うためにはやっとこの扱いがとても重要になると感じた。ただ左手でがっちりつかむだけでは自由に鍛造できない。金床の上で自在に向きを変えるために、つかみながらも鋼材が回転できる程度の把握力にコントロールする器用さが必要になる。



柄の向きを内側に曲げる際は上図のようにする。金床に適当なサイズの鉄製ブロックを置き、材料の浮いた部分を金槌でたたき成形する。これがなかなか難しい…。

師匠は一本の火造りに5分もかからない。
素人は一本の火造りに30分もかかる…。

希望の形状・板厚になったら平面を出し、水打ちをする。
水打ちとは、金槌に水をつけ(バケツの中に金槌の頭をどぼんと漬け)、材料をたたくこと。また、金床にも水をつけ、両面の酸化被膜を取るようにもしていた。これにより酸化被膜が飛散し、材料表面が整った状態になる。

鍛造する際、すべてのタイミングで言えることになるが、板の表面をできるだけ荒らさない(大きな凹みを作らない)こと。表面がきれいだと後の工程が楽になる。

ここまでできたら「裏」を作る作業に入る。

今日はここまで。言葉で説明しようとするととっても大変だ。ではまた。

3 件のコメント:

ものずき さんのコメント...

なるほど~
詳細な解説がとてもいいです!

gfd さんのコメント...

>ものずきさん
ぼちぼち書いていきますので、お付き合いお願いします(^^;

匿名 さんのコメント...

!!告知!!
計画年休用紙が廻って来たんで告知します。
今年の夏オフ会は8月6~7日に行ないます。
個人的に8日まで居る予定ですが、付き合って
いただいても結構です。
場所は例年通り、兵庫東条の小さな森キャンプ場の
予定です。
今年の燻製のネタはシークレットとしますw