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2012年4月28日土曜日

風車の見える公園 & ライナーとボルスターの接合方法に関する考察

SIGMA DP1 風車の見える公園

日本海沿いを走り回って遊んだ日の帰り道。結構広く、高台にある公園で、景色良し。遊具も充実していてファミリーやカップルには最適。そんなところに一人で行くと…まあ、アレなわけで。風力発電機は近くで見ると結構な迫力。



本題です。


先日、シンヤさん、K職人さんから指摘をいただいたライナーとボルスターの接合方法の件。自分なりに調査してみました。結論から言うと、ライナーとボルスターの接合に接着剤は適さない可能性があります。

まずは超単純条件から考えます。確実なのは

接着剤:セメダインスーパーX
接着剤引張せん断接着強さ:約4MPa(セメダインWEBサイトより)
ライナーとボルスターの接着面積(R130Xモデル):約300平方ミリ

以上三つ。

ここでピボットピンにかかる荷重は、人間がナイフにのっかったものとして
60kg≒600N
と仮定する。

この荷重が全てボルスターとライナーのせん断力として働くとしたとき、接着面にかかる応力は

σ=600/300=2MPa

ん?2MPa < 接着剤引張せん断強さ4MPa だから大丈夫?安全率2あるじゃん、と思いきや。

このモデルをリベット接合と同じように考えると、母材(ライナー&ボルスター)にかかる応力は接合面付近は大きく、接合面から離れるほど小さくなるという性質(応力集中の一種って言えるのかな?)があり、一様には力が伝達されないようです。この状態で一部の接着が剥離すると連鎖的に剥離→ぽろり、という破壊モードが推測されます。


さらに厳しい条件を検討すると下図のような状況が考えられます。



ブレードとロックバーを単純化し、かつ数値も仮定ですが…。
ブレードピボットから50mmのところに荷重600Nが加わる場合、ブレードピボットとロックプロジェクションの距離が10mmだとするとレバー比よりF2は3000Nとなると考えられます。この3000Nはブレードピボット及びスプリングピボットの2点で支えられることになり、単純に2で割ると(ほんとはベクトルの分解になるので割れないはずですが…)1本のピンで1500Nを支えることになります。あら大変。

以上ざっくりですが、かなりの力がかかると分かります。ボルスターにピンを4本打つということも十分考えられます。面方向に力は確実にかかるということです。
だから接合は強固に!といいたいところですが、フォールディングナイフにそこまでを求めるならばふぃk(ry
、とも考えられます(^^;)。

ちなみに接着剤2種とロウ付けの引張強度を比較すると

セメダインスーパーX 約4MPa
エポキシ系 約15~20MPa
銀ロウ 約400MPa(強い!)

となっているようです。用途に応じて選定ください(^^)

ボルスターはさておき、ハンドル材は弾性接着剤がよい気がしてます。硬い接着剤は材料の経年変化・乾燥湿潤でぱきっといきそうで…。とはいえまだ経験がないので何とも言えませんが。


こんな考え方でいいのかな?おかしなところがあれば教えてくださいm( _ _ )m



昨日27日、ブレードとスプリングが戻ってきました!上り坂、下り坂、まさか、です。

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

>ハンドル材は弾性接着剤がよい気がしてます。
>硬い接着剤は材料の経年変化・乾燥湿潤でぱきっといきそうで

これ、象牙で経験しました。
エポキシとピンで固めたら、1年後にはヒビが入ってバキバキに…
複雑な形状をとったのも多分いけなかったんですが。
当分象牙は封印です、もっとも、高くてそうそう買えないですが。

gfd さんのコメント...

雄さんこんばんは

実際に経験されてる方の言葉はこころ強いです。
私の言ってることはすべて推測ですので(^^;)
シンヤさんのMOPに続き、象牙も難しい材料なんですね…

シンヤ さんのコメント...

でも、接着剤だけでもボルスターって維持出来ますよね。
以前作ったモデルは今でも接着剤で平気ですし、むしろピボットカシメる時に
ハンドル材が剥離しました(苦笑)

今回私が作っているフォールダーはお話に出てきた4点カシメのボルスターですが、
外見的にも目立たず、強靭に固定できるので「接着剤では不安でも銀ロウ無理」と言う方は
こっちでもいいかもです。

匿名 さんのコメント...

難し過ぎて、全くワカリマセン!(笑
こっち方面は全面的に皆さんにオマカセします!

象牙は暴れますよね。
水につけたり、直射日光、冬場の乾燥で凄く動きます。
部位よりその動きも差が有りますし、目の方向にも左右される感じです。
雄さんも書いてますが、その動きを無理やりピン等で押さえ込むと後でピシっとクラック。
ナイフハンドル以外の物でも、100年位前の象牙製品は現在ほぼクラック入ってます。
本当はハンドル材には適さないのでは?って思います。
いっぱい買っちゃいましたが(笑

ロウ付けはナイフ製作以前から少しやってましたが、たしかロウが溶け入るすき間0,1mm位が一番強度が出ると読んだ事があります。
ボルスターで0.1mmって結構大きなすき間ですよね。
今はペーパーで荒らす程度でやってますが、次回は強制的に0.1mmすき間を入れてみようかと?チャッカリングで溝でも掘ろうかな。
ロウ付けでも上手く行かないと、何かのショックで結構簡単にパカって取れちゃう経験もあります。

K職人

gfd さんのコメント...

みなさんこんばんは

>シンヤさん
そうですね、接着剤だけでもボルスターは保持できますね。
力が加わらない使い方であればOKですかね。売り物にする場合は買い手がどんな風に使うか想定できない(というか想定以上の過酷な使い方をする場合がある)ので、太田さんは4本ものピンを打ったりするんでしょうね。工業製品のクレーム防止法の一つですね(^^;)
ハンドル材の剥離は…接着剤はエポキシでしたか?硬い接着剤だと力が加わった時の小さな変形に追従できずに剥離、ってパターンだと思います。やわらかい接着剤なら回避できるかと思います(^^)

>K職人さん
すみません、私の記事がわかりにくかったですね(^^;)
う~ん、「本当はハンドル材に適さないのでは?」って、皆さんのお話を聞けば聞くほどそう思います(^^;)使うとなると小ぶりなインレイくらいでしょうか?
ロウ付けってほとんどやったことがないのでわからないのですが…。
0.1mmの隙間に流し込むのがベストなんですか。普通に作ると隙間が大きすぎますよね。ナイフは見栄えも大切だと思うのでいたしかゆしですね。